15 開聞岳 vol.1


 

2人行。登り:1時間55分。下り:1時間24分。

この山行だけは報告したくなかった。一緒に行った鹿児島の友人は何十年振りかの登山だそうで、登る前から「もう止めて帰ろうよ…」と弱気なことを言っていたので、『大丈夫、ゆっくり行くから、30分に1度休憩するから』となだめていたのだ。 しかし!いざ登山が始まると友人の姿が見えないではないか。途中途中で私を待ち構えていて、ニヤっと笑って写真を収めていく。『そろそろ休憩しようか?』と私。すると「いやあなたを待って十分休憩した」と返すとすぐまた先を行く始末。

友人の性格はせっかちだ。例えば一緒に酒を飲むとすると、ビールは飲まずいきなり焼酎を生でガッとやって、冷や奴を手で掴んでガッと食らって、しょうゆ差しから直接しょうゆを口に流し込んで、最後に生の焼酎でウガイをして(もちろん飲み込む)眠いから布団を敷けと命令するような奴だ。ゆっくり山に登ろうという気持ちは更々ない。

この文章を書いたのが2008年11月25日だから2年と9ヶ月前のことになる。この体験だけは披露したくなかった。友人に事ある度にリベンジしたくて『山へ行こう』と誘うが、ニヤツとするだけで何も言わない。私は一生この重荷を背負い込んで行かなければならないのか。墓場までこの秘密を持って行こうと考えていたが、世のメタボおじさんの仲間達に恥を忍んで告白する。『私は素人に完璧に打ちのめされたのじゃ」

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