280 夕焼けと満月の韓国岳

17:04 2合目を振り返る。ここで上から降りてきた老人に嗜(たしな)められた。

この時間に何を考えているんだ?」

『満月を撮りに来たんですよ』

「へっ、満月? 上はガスが一杯で無理だ」と蔑視の表情を浮かべる。

『一ヵ月待ったんでね。誰が何と言おうともボクは行くよ』

己を貫くために会釈もせずに、それ以上の天気の情報収集も請わずに上へと進むことにした。

天気予報では夜には晴れることが示されていたし、何しろ最初から何があっても自分を信じようと思っていたし、その前にSussieから「霧島晴れていますよ。山脈がきれいに見えますよ。」とえびの市に出張中の合間の電話で教えてもらっていたことも本当に心強いことだった。

実は随分と前にこの韓国岳を登った時の経験が生きているんだな。その時は中秋で韓国岳を起点として高千穂河原を終点とする単独の縦走をせんとして、半曇りの硫黄山登山口からを登り始めた。もちろん下界であるえびの市の天気は100%晴れだったのだけど、100M登る度に風が強くなってくる。1200Mの登山口から頂上の1700Mまで100M刻みの5ステップなんだけどね、1ステップ進む度に世界が変わるんだよ。頂上に着いた時は「このまま進んだら死ぬと思う程、風が強過ぎて呼吸もできない程だった。このまま東へ300M平行移動して、獅子戸岳へ降りるポイントに辿り着きさえすれば、後は下山基調なのだから行けることは分っていたけれどさ、その獅子戸岳へのポイントに行くまでに命を落とすと感じたので迷わず下山したのだった。

下りの途中で雨も混じり始めて「中止して正解だったな」と胸を撫で下ろしながら下っていても、下からシーズンもあって次から次へと素人の登山者が登ってくる。天気を尋ねられたら「上はほとんど息もできない程、風が強いですよ。おまけにこうして雨が降ってきたら、もはや台風ですよ。十分お気をつけられるか、自信がなかったら下山したほうが良いですね。」と教えてあげても皆笑うだけだった。その日に事故があったとはニュースの俎上に上らなかったので何事もなかったのだろうけどさ、基本的に「何かしら心配だから人に天気のことを聞くんでしょう?」それはど素人のすることだな。「上は晴れていましたか?」と過去形で聞くのは良いけど、「今後天気はどうなりますかね」と未来形で聞く人は山に入らない方が良い。

 この韓国岳は標高差こそ500Mなので体力的に低山の部類には入るけど、頂上は1700Mもあるんですよ。並みの低山ではないよね。

  • 単独行。
  • 83日振りの登山です。何度も登らない自分を想像してみましたが、涙しか出てこなかったので諦めませんでした。今後はウォーキング、ランニング等の体力・体調面の調整をせずに、いきなりゲリラ的に登山を行います。前みたいにランニングしたりすると、登る前に既に登れない体になっているからです。負荷をかけた分傷むのなら、傷むのは登山のエクササイズだけにしようという狙いです。おお、私の体のなんとナーバスなことか。オーバー80俱楽部のSaddyとSussieが裏山しい、いや羨ましい。
  • 本日の目標は同月内で二度起こる満月、ブルームーンとサンセットを同時に楽しもうという贅沢な目標です。宮崎市を14時30分に出発して、硫黄山登山口から16時43分に登山開始、頂上へは18時10分到着です。所要時間は1時間と27分ですのでもはや老人クラスですね。既に体力の落ちていた2010年11月の朝駆け韓国岳登山が1時間だったので、まだ日の高かった今回と比べても今回はかなり苦労しました。一歩一歩つま先を蹴らずに上がります。太ももを垂直に上げながらの登山は時間ばかりかかります。それでもつま先が痛くなってくるので無理せず体重のかけ方に注意を払いながら進みました。
  • 私の不調の原因は両足の第2、3指の第2関節の軟骨が消滅したため(カルテを盗み見すると骨頭壊死と書かれていました)関節が擦り減ることにより炎症を起こす変形関節炎です。普通にしていれば何の不具合もないのですが、何しろ登山に関しては歯止めがかからない性格なので、無理して年に3度は長期離脱を余儀なくされています。足指といっても小さく見てはいけません。本当に1ヵ月歩けなくなるのです。
  • 帰りは月明かりを頼りに下山することをイメージしていましたが、帰りの時間がまだ早かったので月が天上にきておらず、ほとんど月が山陰に隠れ、また4合目以降は樹木に遮られながらの下山でした。なので帰りはLEDヘッドライトとハンディLEDの2つの光源が頼りでした。3合目で若干つまずいて体勢を崩した時に、左の掌にもっていたLEDを地面に接地させたはずみで点灯負荷になりました。(帰ってランプを見ると電池がずれたためと分りましたが、その時点では再点灯しなかったので壊れたものと諦めました。)光源は予備を持っていた方が良いのだと改めて思いました。もし予備がなかったら、自分の計画性の無さを悔やみつつ、登山道を探りながらの暗中模索状態で自暴自棄になり発狂寸前になるのではないでしょうか?
  • 荷を重くしても、二重三重の安心を運んだ方が良いですね。

2 thoughts on “280 夕焼けと満月の韓国岳

  1. 「わぉーーーーー」またもPCの前で1人叫んでいた。
    サンセットショーの美しさに感動して「わぉーーーーー」としか言葉がでない。
    そして、口をあんぐりとあけたまま、ヨダレを垂らしながら見とれるのであった。。。

  2. うんうん、気持ちは判るけどさ、アゴが開いたままだったら虫が入るので早く治そうね。

    暦を見ていたら◎月◎◎日がチャンスと判るから、その時がきたら特別に教えてあげよう。

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