326 小川岳

326 小川岳_A

326 小川岳_B

326 小川岳_C

グリム童話ってものがあって、原作は本当は恐ろしいんだと山中で話題になった。
「それじゃ、今日の話はレンジャー童話かもしれないぞ。」と山中で話題になったそんな話をしてみようかな。

からからと空回りする思いやりは悲劇か喜劇か

今日のメンバーは4人。ルート取りは半周回で帰りのために私の車1台を下山口に置いてもう1台の車に同乗し、8キロ離れた登山口へ4人で向かった。道中、話がはずむ。朝早いけどこのまま宴会に突入しても楽しいだろうと思ったほどだ。しかしそこに落とし穴があった。
さて楽しく登山開始だ。暑くたって気持ちは衰えない。しかし今日は7月14日でとにかく猛暑の極みである。最近登山を始めたメンバーと暑苦しい体型のメンバーが水が不用意に足りなくなった時のために、私は秘かに真水3リットルとスポーツ飲料1リットルの計4リットルを運んでいた。本格的な夏山を知らない二人に対するいわば私の勝手な思いやりだ。

しかし、私はとんでもないミスを犯していた。それは8キロメートル離れた今から進むべき下山口に停めている車のキーを先ほど駐車した車中に置き忘れたのだ。このまま進んでも、皆を8キロメートル余計に炎天下の中を歩かさなければならない。私のミスのためにメンバーを過酷な目に遭わせるわけにはいかないと決心し、バッグを地面に置き、1時間かけて登ってきた道を戻ることにした。私は頑張ったつもりだ。30分で登山口に戻り、60分かけて再びバックを置いた場所に戻ってきたが、肝心のバックパックが見つからない。ご褒美に水をたらふく飲もうと思ったのに水がない。

「そうか、誰か気の優しいメンバーが運んでくれているんだ。もうのどが渇いて大変だけどがんばるしかないな。」と思った矢先にYさんがボトル入りの水を頂上から降りて持ってきてくれた。

「二人が水の入ったバッグを担いで上に持っていったんで、のどが渇いていると思ってさ。心配になって、こうして降りて持ってきたよ。

「うわぁ〜助かる。誰が私のバックパックを持っていったの?」

「SさんとHさんです。しかしこんなに水は要らないだろう言って真水はお二人が全部捨てました。」

「え、3リットルの真水を捨てた? SさんとHさんに飲んで貰おうと運んでいたのに…。自分の分の水さえも捨てられたってことか。」

「何故、人の水を捨てるかな、バッグを持って行ってくれと一言もお願いしていないしさ。」と訝しく思ったら、ピンとくるものがありました。この冗談みたいな事件の陰に私の不用意な発言が複線として実はあったのです。

「以前ギックリ腰になった時にバッグさえも運んでもらわなくてありがとう!」と嫌味を直前に私に言われていたSさんは、大いに気を利かして私のバッグを頂上へと運んでくれたのです。ただし、重かったので水は捨てて。重いは想いなのになぁ〜。

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↑打上のロングホールではありません、五ケ瀬ハイランドスキー場です。今から右端を行きます。いいえ、カート道ではありませんってば。

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15 thoughts on “326 小川岳

  1. 水の件はすみませんでした。てっきり車に戻ったのが、足の違和感を覚えて、車に置き忘れた薬を取りに行ったものだと思ってました。3Lの水はレンジャーの訓練の為だと思い、水を捨てて楽をするように言っても意志の強いレンジャーは断ると思い、捨てました。Hさんは無実です。

    • Hさんは「二人で決めた」と電話で申されていました。お二人とも美しいリレーションシップです。Hさんが入られてからTeam Rangerは落ち着いてきたと思います。スッシーさん今後もリーダーシップを発揮されご活躍下さいね。

      • 愛する者の為、命懸けの過酷な行軍の続けるTEAM RANGERの儚い聖水のメルヘンが小川岳7号目辺りで生まれました。それは数年後、一人前のレンジャーに成長した者達が語る冷んやりとしたコントではあるのだが?

        • そうなんです、コントであるのです。昨日はあんなに笑い合ったのに、こうして活字にすると別のニュアンスが生まれる。創作とコントの世界は日々精進であります。あの五ケ瀬の聖地に放たれた黄色い聖水の行方に新しい童話が生まれる可能性もありますね。
          「何を言う。おれのは聖水じゃ。」この宣言にどれだけ僕らは力をもらって酷暑の中頑張られたか?
          一見最低な行為が、実は尊い行為だったのだと照明して頂きました。いえ誤字ではありません。明るく照らしていただいたのです。

          ところでこれで3週続けて私と山に入りましたね。マラソンと登山の違いはフィールドの違いというよりも人と語らいながら進むという特異な点にあると思いました。

          • いやー、失礼しました。
            それにしても五ヶ瀬源流のそれこそ聖水の清しいかったこと!「うんめもうんめ!冷んても冷んても!」でした。
            ところで9月はマラソンと登山の合体したレースに初登場です。(かも!)語らいながら競争するのですね。

          • そうです、でもお相手は今交渉中なんで言えませんけど……。
            儚い夢が泡と消えぬように……。

  2. 世の中いろいろありますね。ドラマにしてそれぞれの視点からみると内容のある作品ができあがると思いました。今日のような特別暑い日は負荷もかかって更に大変な山業でしょうが、4人元気でご帰還されたのは有難いことです。優しい気持ちに優しい気持ちで乾杯!

  3. 皆さん水の件で盛り上がっていますね。ところでトレランの参加の件は?それとも参加で決まりですか?山中でトレランの練習中のランナーに追い越された時は余りの次元の違いに皆さん諦めたと思いましたが?制限時間4時間30分以内で完走する自信は?私は参加しませんが、今、頭の中でトレーニングはどうしよう?(参加はしません)給水システムはどうしよう?(参加はしません)バックはシューズは?(しつこいようですが参加はしません!)考えるだけで実は楽しくて仕方ありません!

    • チラシを毎朝食い入るように隅々まで見ている安買王さん、おはようございます。
      トレランの件は無理しないでどうぞ参加してください。
      無理はいけません、無理は。
      失笑王より

  4. 画像使って頂いてありがとうございます。昨日、帰ってから体重を計ったのですが仕事の後に計った方が体重が減っています。
    と言う事は普段の仕事の方が山登りよりキツイのか、昨日の山登りが楽だったのか?多分昨日は人より余計に歩いた(走った)Rangerさんだけ疲れたのかも?もしかして私は仕事をしてお金を稼ぎながらトレーニングしているかも?

    • そうして汗水垂らし、身を削りながら稼いだ夢のお金で囲炉裏をかこんで、脂肪をつけ直していくと云う連続が「日常」というものなのかもしれません。昨日は私だけ疲れたのだと思います。皆に心配して頂いて「ほれ喰え、やれ飲め」して頂いた結果、登山前よりも太っていましたからね。

  5. ワイド野海山さん、おはようございます。コメントが今になってしまいました。ロマンとマロン…確かにマロンはおいしいですが…野山海さんの今まで培われてこられた体力や歴史が、まだ新しいチームに未知の進路や各個人の能力アップに大いに貢献されてるようにも感じております。お互い「想い」の交流が基本なのでしょうが、夏真っ盛りのトレランですので、皆さんご自愛ください。(ワイド野海山さんにはあてはまりませんが…)

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