夜の静寂の後に

夜の静寂の中のねっとりとした空気を五感に触れさせながら、気の赴くまま歩くことにした。そう、水分をタップリと含んだ風が、独りで歩きながら酔いを醒ませと誘っているんだ。

ボクが3軒目の店を出たのが午前3時だった。厄介なのは自分の中の心の持ち様なのだ。とにかく雨のおかげでエクササイズもうまくいかないし、体重増が心の中心を蝕んでいくことをデザインを生業にする者ならば理解はしてもらえると思う。山もデザインも肥満が大敵さ。どうして太って山登りも仕事もうまくいくのさ。ボクは大真面目なんだけど、皆笑う。分かってないよね、誰も。メシをたらふく喰うよりもハングリーな方が楽なんだけどさ、回りは喰わせたがる。

またこうも考えた。「本来ならば、天気が良ければ登山に行っているわけで、『スタート時間が少し早くなったと思えばいいや』」ぐらいの軽い気持を持とう。軽い気持ちで始めなければ、あんなこんな苦行みたいなことはできはしないし『何にも考えず、ただゴールだけイメージしてみる』ことが、言わば苦行のコツかな」とね。

ボクは写真を撮ることと歩くことが大好きだ。しかし夜中にカメラをぶら下げて街中を歩き回ることは「変質者」に見られるので、カメラはリュックの中に入れて、被写体になる神社とか公園などに入った時だけ取り出すようにしている。流石に髙橋某が逮捕されても、犯罪者は真砂の数だけいるわけだしさ。

午前3時48分。宮崎神宮の神門は閉ざされていた。もちろん黙って静かに引き返した。

だって初めてこの時間に来たんだものな。正月の初参りだって大嫌いだから行かないぐらいなんだからさ。だからボクが神社に好んでいくのは普通の人とかなり性格が違うんだよね。

5時25分。市民の森にて。滴が水たまりに波紋を起こすとつられてボクの心も波紋が拡がる。「オレ,目覚めてもいいんだよな?」と反芻する。やっと2時間25分もたって普通に撮れたんだ。待ち遠しい一枚だ。そう表題のように「夜の静寂の後にとれた一枚」だ。静寂は「しじま」と呼ぶとカッコいいからね。

この雫は堪らなく切なくて愛おしい。これってDroplet以前のMistの状態だぜ。「夜明けの光ってこれから晴れるのか、曇るのか、雨が降るのか、もうどうでいいよね……。」って思ってしまうほど気怠いのさ。そうケダルイ。

相変わらずキミは綺麗だよ。雨の雫もキミには敵わない。

こんな風景を見ながら、12.6kmを3時間23分かけて歩いた。帰ってみると左足首がねん挫したように痛くなっていた。やはり若くはないんだね…。

2 thoughts on “夜の静寂の後に

  1. カメラのシャッターを押す事……は
    今、この瞬時に生きている自分を残す事……かも。
    残したいと思った被写体に出会った必然、偶然で
    切り取った「もの」は自己満足かもしれないが
    人に感動影響を与える「もの」になる可能性も。
    今、どれだけ自分の感性で「これだ」と思うものに
    出会えるかは偶然でしかないような気がする。
    だからいつでも切り撮れる様に心がけているし、
    いつもと違う道を通ってみたりもする自分がいる…….。
    ほとんどの人が巡り会えないであろう、
    雨上がり早朝にしか撮れない被写体に「いい絵だな….。」
    と思ってしまう。
    本人の苦労は知らぬままに…….。

  2. コメントありがとう。
    シャッターでものや他人を写しながら、自分をも記録しているんだな。
    感性が鋭くなれば、きっとシャッターを切る回数も増えるだろう。
    山や花ばかりでなく、人とか生活とか切り撮りたいな。
    モデルを頼むよ。あなただったら誰も傷つかないし。

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